「30年後に後悔する家」にしていませんか?家を建てる前に知ってほしい、老後も在宅生活を続けるための盲点

備忘録

こんにちは。

皆さんは、家を建てるときにどんなことを重視しますか?「おしゃれなデザイン」「最新の設備」「こだわりの間取り」など、夢が膨らみますよね。

しかし、住宅建築や介護の現場を見ていると、いつも心の中で「ああ、もったいないな……」「建てる時にほんの少し意識していれば、将来こんな苦労(出費)はしなくて済んだのに……」と痛感することがあります。

それは、「若い時に建てたこだわりのマイホームが、年をとった時に在宅生活を継続できない最大の原因(壁)になってしまっている」という現実です。

今回は、人生最大の買い物である「家づくり」を控えている若い世代の皆さんに、将来を見据えた「年をとっても安心して住み続けられる家づくりのヒント」をお届けします。

1. 憧れの「おしゃれな家」が、将来の「住めない家」になる?

家を建てるとき、誰しも「こんなデザインにしたい!」「段差を活かしたおしゃれな間取りにしたい!」と考えます。

しかし、足腰が衰えたり、万が一車椅子生活になったりしたとき、その「こだわり」が思わぬハードルになることがあります。

  • 玄関から道路までの「階段」や「凸凹アプローチ」
  • デザイン性を重視した室内の「小さなたくさんの段差」
  • 開き戸(ドア)ばかりで、車椅子では開閉しにくい間取り

若い時は何でもない10cmの段差や、玄関前の数段の階段が、高齢になると「自力では一歩も外に出られない壁」に変貌してしまうのです。特に坂道にある家で、道路から玄関まで長い階段がある場合などは、年齢を重ねたときに移動が非常に厳しくなります。

本当は住み慣れた我が家で暮らし続けたいのに、「家の中や外構の構造上、車椅子での移動や移動の安全確保がどうしても難しく、本意ではないのに家を離れざるを得なくなる」。そんなケースは少なくありません。


2. 物価高の今、知っておくべき「後からのリフォーム」の厳しい現実

「悪くなったら、その時にリフォームすればいいや」

そう思う方も多いかもしれません。確かに高齢期の不便を解消するための補助金制度などはありますが、昨今の物価高(資材高騰・人件費上昇)は非常に深刻です。

現在、いざ体調が変わってから工事をしようとすると、想像以上の見積もりになり、大きな経済的負担になるケースが増えています。

「手すりをつけたいけれど、壁の強度が足りなくて大がかりな補強工事が必要になった」 「開き戸を引き戸に変えたいけれど、壁の構造上、周囲を大きく壊さなければならない」

こうして、後からのリフォームには不必要な大金(自己負担)がかかってしまうのです。


住宅メーカーで将来のバリアフリー(引き戸、壁の下地補強、スロープ)を意識した家づくりを相談する若い夫婦のイラスト

3. 新築時の「ほんの少しの意識」で、未来の数十万円を節約する

実は、新築時にほんの少し先の未来を視野に入れておく(余白を残しておく)だけで、将来の不要な支出を抑え、お気に入りの家で長く暮らすことが叶います。

ぜひ、ハウスメーカーや工務店と打ち合わせをする際、以下のポイントを頭の片隅に置いてみてください。

① 「引き戸」をメインに考えておく

車椅子や歩行器を使うようになると、ドア(開き戸)は体を前後に移動させなければならず、非常に開け閉めが大変です。スライド式の「引き戸」にしておくだけで、将来の生活のしやすさが劇的に変わります。

② 壁の中に「下地(補強材)」を入れておく

将来、トイレや浴室、廊下に手すりを付ける可能性を考えて、新築時にあらかじめ壁の中に補強材(下地)を入れてもらいましょう。これだけで、後からの手すり設置費用が数分の一に抑えられます。

③ 外構(アプローチ)に「スロープにできる余白」を残す

道路から玄関までのアプローチをすべて階段にするのではなく、将来的にスロープを作れるようなスペース(傾斜を作れるだけの距離や広さ)を計算して残しておくと安心です。

④ 1階だけで生活が完結できる間取り

老後、2階への階段を登れなくなる生活を想定し、「1階に寝室(または寝室に変えられる部屋)と水回りを集約しておく」ことも非常に重要です。

まとめ:家は「最期まで人生を支える器」

住宅メーカーや工務店の営業マンは、建築のプロですが、介護や老後の生活のプロではありません。若いご夫婦に対して「将来、足腰が弱くなったら……」というネガティブな提案は、向こうからはなかなかしてくれないのが実情です。

だからこそ、建てる側である皆さんが「年をとっても住み続けられる視野」をちょっぴり持つことが大切になります。

マイホームは、夢を詰め込んで建てるもの。 だけど同時に、「大切な我が家に、最期まで長く住み続けるための優しさ」も、少しだけ間取りに詰め込んでみませんか?

その一工夫が、30年、40年後のあなたとご家族を、きっと助けてくれるはずです。



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